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★AMFニュースレター(2018年第2号(2018年10月発行))【主要記事】

◆◆目次◆◆

目次
○実証事業/プロジェクト/市場動向に関する情報
 PM削減のためのDME(ジメチルエーテル)エンジンに関する研究
 日本 大型LNGトラックの充填インフラ整備
 植物セルロース系糖の製造に関する情報
 スウェーデンの船舶用液化バイオガス
○政策/規則/指令/基準に関する情報
 マレーシア政府によるB10バイオディーゼル燃料調査
 インドネシア B20バイオディーゼル燃料を拡大
 持続可能なパーム油貿易
 EU再生可能エネルギー指令の最終報告
 EUにおける型式承認制度の変更
 燃料添加剤として承認されたバイオイソブタノール
○航空分野の注目ニュース
 Shell社とSkyNRG社再生可能ジェット燃料に関する取組み
 ノルウェー 航空バイオ燃料規制を導入
 航空の未来
○電気自動車の注目ニュース
 カナダ 電気路線バス実証実験の開始
 大型電気自動車用充電インフラの整備
 ポルシェ 電気自動車の未来
○IEA及びIEA-AMFニュース
 IEA電気燃料ワークショップ
 AMF Annex 53 局所大気環境に影響を及ぼすバイオ燃料と大気環境
○出版物
 IEA再生可能エネルギー市場レポート
 電気燃料のライフサイクルアセスメント及び技術経済分析のガイドライン
 輸送部門の脱石油化
 貨物輸送の脱炭素化
 インド 2018年バイオ燃料年次報告2018年
 高度なバイオ燃料のためのR&Iの視点
 EU 排出インベントリレポート1990-2016
 ACEA(欧州自動車工業会)ポケットガイド2018-2019
 IUCN(国際自然保護連合)報告書による「パーム油と生物多様性」
 IEA 初の地球規模におけるエネルギーとCO2に関する報告
 主要な世界のエネルギー統計情報2017
〇イベント
 略
出典:http://www.iea-amf.org/(英語ページ)

以下、いくつかの注目ニュースについて仮訳した情報を記載します。

◆◆実証事業/プロジェクト/市場動向に関する情報◆◆

日本 大型LNGトラックの充填インフラ整備
 2018年6月1日、日本初のLNG充填所が大阪で開設され、商業運行としては日本初の2台の大型LNGトラックによる路上デモンストレーションが開始されました。
 このデモンストレーションプロジェクトでは、1回の燃料充填でおよそ1,000km超の走行が可能な大型LNGトラックを開発することを目的としています。燃料充填インフラの開発は、LNG車の使用を促進する上で不可欠であり、実際の使用におけるベストプラクティス、LNG車、充填所に関する技術構築が必要です。したがって、大型LNGトラックだけでなく、関連する燃料補給インフラを開発し、運送事業者による実運行を通じて評価を実施します。
 このプロジェクトは、いすゞ自動車(株)、シェルジャパン(株)、(一財)環境優良車普及機構(LEVO)が2016年から推進しています。

出典:https://www.env.go.jp/

◆◆電気自動車の注目ニュース◆◆

カナダ 電気路線バス実証実験の開始
 パン・カナディアン・エレクトリカル・バス・デモンストレーション・インテグレーション・トライアルの第1フェーズが、ゼロエミッション輸送技術を推進する国家戦略の一部として、バンクーバーで開始されました。
 このプロジェクトには4,000万ドルの資金が投入されており、相互運用可能な電気バス18台、オーバヘッド充電器7台(充電器側にパンタグラフが設置されており、車両に向けて降下する仕組み)、3都市5路線が含まれています。プロジェクトは、バスと充電ステーションを接続するパンタグラフの設計、バスと充電器間の通信プロトコルの標準化、およびシステムの性能評価を行います。

New Flyer’s 40-foot Xcelsior model. PHOTO New Flyer
出典:http://cutric-crituc.org/(英語ページ)

大型電気自動車用充電インフラの整備
 カリフォルニア州公益事業委員会は、広範囲の電力供給網を整備するために総額7億3,800万ドルの予算で4つの公益事業を認可しました。これらの事業には、15,000台の大型電気自動車に電力を供給する充電インフラ整備の5億7900万ドルが含まれています。さらに、1億3,700万ドルがレベル2の家庭用充電器60,000基の設置に使用されます。
 カリフォルニア州大気資源局は、フォルクスワーゲンの環境緩和措置を目的とした423百万ドルの計画を承認しました。その中には、1,400台のゼロエミッションのバス、トラック、建設機械等のために約3億ドルの資金が含まれています。

出典:https://www.arb.ca.gov/(英語ページ)

◆◆IEA及びIEA-AMFニュース◆◆

AMF Annex 53 局所大気環境に影響を及ぼすバイオ燃料と大気環境
 「持続可能なバスシステムAMF Annex 53」は、発展途上国の公共交通の事業者の入札プロセスで使用することができるクリーンでエネルギー効率のよいバスの要件を検証するための方法論を開発することを目的としています。クリーンでエネルギー効率の高いバスの普及促進を目的として開発した持続可能なバスシステムは、発展途上国の公共交通機関の入札条件に使用することができます。サンティアゴ及び発展途上国の他の主要都市の運行条件は、先進国の運行条件と大きく異なります。適切な評価を可能にするために、サンティアゴのバス路線の速度と道路勾配を測定するなどして分析し、その結果を既存の路線走行と比較しました。最終的には、実際の運行条件を反映した「サンティアゴ路線走行モード」として規定することができました。
 2018年には、「サンティアゴ路線走行モード」がチリ政府によって正式に採択されました。サンティアゴのバス市場に投入される新規のバスは、すべてこの走行モードの下で公認の手続きの一部として走行モードによる試験を行うことが必要になります。これにより、保有しているバスの更新にあたって、利用可能な最善の技術が選択可能となります。サンティアゴでは、ユーロVI規制(欧州における重量車(大型トラックやバス)の次期排ガス規制)に適合した2,000台の新規のバスと90台の電気バスが購入されました。サンティアゴはラテンアメリカでユーロVIバスを導入した最初の都市です。
 AMFのAnnex 53の活動、UNEP(United Nations Environment Programme:国連環境計画)及び気候、及び、CCAC(Climate and Clean Air Coalition to Reduce Short-Lived Climate Pollutants:短寿命気候汚染物質削減のための気候と大気浄化の国際パートナーシップ)の協力の結果として、民間の調査機関であるマリオ・ モリーナ・エネルギー環境戦略研究センター(Centro Mario Molina)チリと運輸省には、今回の環境優良車に関する政策実施に対しCCACの世界的な賞が贈られました。

賞のリンク:http://ccacoalition.org/(英語ページ)
AMF Annex 53の詳細情報:http://iea-amf.org/(英語ページ)

◆◆出版物◆◆

輸送部門の脱石油化
 ドイツの内燃機関技術研究組合(FVV)は、「輸送部門の脱石油化:ドイツの選択と要件」という燃料研究を行いました。
 この研究は、電気、水素、CO2フリー合成燃料それぞれにおいて、動力装置別のCO2排出量ゼロの移動手段に関するエネルギー要件と移動コストを比較することを中心に取りまとめられています。
 2050年までに輸送の大気環境への影響が完全になくなると、運転手のコストが上昇する可能性があります。中型の乗用車にバッテリー電気駆動装置、燃料電池、またはCO2フリー合成燃料による内燃機関が存在するかどうかわかりませんが、どの動力伝達装置もそれほど大きな違いはありません。この研究では、計算された3つのエネルギー(電気、水素、CO2フリー合成燃料)による移動コストの違いはわずかしかありませんでした。

出典:https://www.fvv-net.de/(英語ページ)

貨物輸送の脱炭素化
 2014年に世界のCO2排出量の28%を占める輸送部門を脱炭素化することは、低炭素経済への移行に不可欠です。方針説明書「パリへの高速道路:貨物輸送の脱炭素化による気候保護」では、貨物輸送によるCO2排出を脱炭素化するための方法について調査しています。
 分析によると、パリ協定の目標を達成するためには、2050年頃までに世界の貨物輸送によるCO2排出量の完全脱炭素化することが目標になります。EUがこの目標を達成するには、2030年までに貨物輸送によるCO2排出量を少なくとも2015年に30%削減し、2050年頃までには陸上貨物輸送のCO2排出を完全に脱炭素化することが必要です。

出典:https://www.ecofys.com/(英語ページ)

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