Homeライブラリ世界の自動車用代替燃料2010年度

世界の自動車用代替燃料

 世界の自動車用代替燃料に関する情報提供として、LEVOが日本政府指定機関として参加している国際エネルギー機関(IEA)の自動車用先進燃料技術連携プログラム(AMF-TCP)で得られた情報等を活用しお届けしています。
 近年の状況は、メールマガジンにて提供していますのでご覧ください。
 < メールマガジン 最新号> メールマガジンの登録は<こちら>でご案内しております。

道路貨物輸送分野における脱炭素化の分析

運輸分野では、船舶、航空機及びトラックは脱炭素化が難しい交通モードであるといわれており、どのような方策で脱炭素化を行うかについて種々の研究が行われている。
LEVOが政府指定機関として参加しているIEA(国際エネルギー機関)の自動車用先進燃料連携プログラム経由で入手した「Advances in Applied Energy」という雑誌に掲載されている論文「海運、航空及び道路貨物輸送分野に適した低炭素燃料に関する分析」から、「道路貨物輸送分野における脱炭素化の分析」を紹介する。
道路貨物輸送分野における脱炭素化(IEA(国際エネルギー機関)経由で入手した雑誌「Advances in Applied Energy」の道路運送分野に関係する抄訳)

2010年版 (以降の情報はメルマガにて配信中)

◆ Ashok Leyland LtdがプラグインCNGハイブリッドを発表 〜インド〜

 インドの二番目の商用車メーカーであるAshok Leyland Ltdは、ニューデリー自動車展示会2010で、同国としては初のプラグインハイブリッドバス「HYBUS」を発表した。 このシリーズ型ハイブリッドの「HYBUS」は、従来のCNGエンジンと電気駆動システムを組み合わせたものである。エンジンは最適効率で発電機を回し、車載のバッテリーに充電する。リチウムイオンバッテリーからの電力で駆動系を回す。従来のバスに比べ「HYBUS」は20〜30%燃料経済性が良い。
 同社は、このバスの市場性を調べるため、10月にデリーで行われる国の競技会開催期間に利用可能とする計画である。発表に際し、Ashok Leyland Ltdの常務R Seshasayeeは、1997年のCNGバス、2002年のハイブリッド自動車に続き、もう一度グリーンバス技術でリードすることができ嬉しいと述べた。Ashok Leylandは、インド市場においてハイブリッドバスの普及促進のため、そして、現段階で未公表の価格を相殺するのに役立つインセンチブを設けるよう政府に促した。
 CNG技術の支持者であるインド環境科学センター(CSE)のAnumita Roychowdhuryは、NGVグローバルに対し、「これは、インドが環境に対する責務を果たすための革新的リーダーとなることができることを示すものである。都市における大気のクリーン化及び健康被害防止のためのCNGプログラム及び特にCNGベースの公共交通プログラムにおけるインドの投資がこの機会を創出した。我々の業界は、バスの分野において将来の技術コンセプトへパラダイムシフトをするためにこの機会に呼応することが有効である。我々は、より効率的でクリーンで気候変動に優しい輸送システムを作るために先進技術を迅速に取り入れるための規制的かつ財政的戦略を必要としている。」と述べた。

出典:NGV グローバルニュース、2010年1月13日 http://www.ngvglobal.com

ページトップへ
◆ アメリカ、再生可能燃料基準(RFS2)が発令 〜USA〜

 米国環境保護庁(EPA)は、2010年3月26日公布、2010年7月1日施行の再生可能燃料基準(RFS2)(連邦官報 75FR14670)を修正する最終段階にきた。RFS2では、先進バイオ燃料・210億ガロン(7950万kL)を含むバイオ燃料の生産を2022年に360億ガロン(13630万kL)に引き上げることとしている。
 RFS2は、セルロース、バイオマス由来ディーゼル燃料や先進再生可能燃料などのカテゴリー別に使用義務量を規定している。これらの量的要件を集計するために再生可能燃料のライフサイクルの温室効果ガス(GHG)削減基準が規定されている。ここで用いるGHG削減基準には、GHGの直接的排出量と、例えば土地使用の変化に伴う排出などの間接的排出量の両方が考慮されている。
2010年は、およそ130億ガロン(4920万kL)の再生可能燃料の使用が義務化される。これには、0.065億ガロン(2.46万kL)のセルロースバイオ燃料(草案では1億ガロン(37.854万kL)であった。)や11.5億ガロン(435万kL)のバイオマス由来ディーゼル燃料(2009、2010年を合わせて)が含まれる。
 EPAは、従来のいろいろなバイオ燃料のGHG排出見積を緩和した。これによって、今回、これらの燃料はRFS2基準に適合する。20%のGHG削減基準に適合するのは、コーンスターチから製造されるバイオブタノールや一定の要件を満足する新たに建設された先進的で効率的な工場のコーンスターチから生産されるエタノールである。サトウキビ由来のエタノールは、先進的バイオ燃料として50%の温室効果ガス(GHG)削減基準に適合する。大豆油由来のバイオディーゼルと廃食用油や油脂類から生産される再生可能ディーゼル燃料は、藻類由来のバイオディーゼル同様、バイオマス由来ディーゼル燃料として50%の温室効果ガス(GHG)削減基準に適合する。セルロース系エタノールと軽油は、セルロース系バイオ燃料に適用される60%の温室効果ガス(GHG)削減基準に適合する。

出典:米国環境保護庁(EPA) 再生可能燃料基準 2010年3月26日 http://www.epa.gov/oms/renewablefuels/420f10007.htm
参考: 1米ガロン = 3.7854L

ページトップへ
◆ ネステオイルが100%バイオ燃料をテスト 〜フィンランド〜

 ネステオイルは、フィンランドにおいて、100%再生可能原料から作られた化石燃料成分を含まないネステグリーン100軽油(NExBTL)を自動車に使用するテストを始めた。そのテストには個人およびネステオイルの社員が含まれる。社外のドライバーは5月半ばから真夏までテストを行い、社員から選ばれたドライバーは本日からテストを開始し、真夏の後も継続して行われる予定である。ドライバーはヘルシンキの選定されたネステオイルサービスステーションで給油を行う。フィンランドのネステオイルステーションの大部分は、最低10%の再生可能軽油と従来の軽油を混合したネステグリーン軽油をすでに供給している。
 ネステオイルはテストの結果に期待している。以前のテストでは、ネステオイルの再生可能軽油が従来の軽油と比較してかなりの効果をもたらすことが示された。その燃料の温室効果ガスの排出量は化石燃料の場合よりもライフサイクルで40〜80%少なく、テールパイプでの排出量も少ない。
出所:ネステオイル社プレスリリース、2010年4月26日  www.nesteoil.com

ページトップへ
◆ オランダにおける液化バイオガス自動車の導入 〜オランダ〜

 Rolande LNG社は、ヨーロッパで初めて、液化天然ガス(LNG)と類似の液化バイオガス(LBG)を燃料としたトラックを導入した。LNGは、米国、イギリス及び、スペインでは、既に自動車の燃料として使用されているものである。
Rolande LNG社は、オランダ国内の充填スタンドなど流通網の整備を行うため、経済省の補助を受けて、2015年まで約20箇所の充填スタンドを整備する計画である。これは、およそ2,000台のLNGトラックを運行させるに十分な規模となる。エネルギー密度の高いLNG/LBG燃料は、タンク1本で走行距離を約1,400km程度まで伸ばすことができるため、大型貨物運送の分野においてとても魅力的選択肢となる。
天然ガスやバイオガスは、最初に精製によって水分と二酸化炭素が取り除かれる。次に、-162℃の温度まで冷却され液化される。LNGは、タンクに充填されて輸送される。タンクは、二重の壁間が真空引きされた、いわゆる低温貯蔵タンクである。LNGの充填は、ディーゼルや他の石油製品同様に短い時間で充填することができる。
現在、LNGトラックを自動車メーカーから直接購入することはできないが、Rolande グループは、ディーゼルエンジンからLNGエンジンへの改造を専門に行っている。改造によって、エンジンに点火プラグを追加し、圧縮比は元のディーゼルエンジンに比べて低くする。燃料タンクは、改造されたトラックの下部に2本設置され、約700リットルのLNGを搭載することができる。

出典: Rolande LNGnews、2010年4月15日 http://www.rolandelng.nl/

また、オランダでは、例えばBER社(バイオエタノールロッテルダム)などのような液化バイオガス計画を進めている会社もある。
BER NV http://www.ber-rotterdam.com

ページトップへ
◆ 欧州の低公害車普及戦略 〜EU 欧州委員会〜

COM(2010)186 final  Brussels, 2010年4月28日

 欧州委員会は、低公害かつ低燃費な大型車から小型車(二輪車、三輪車、原付四輪車を含む)の開発、普及を推進する戦略を示した。この戦略では、従来の内燃機関をベースとしたクリーンで効率の良い車両の普及促進と超低CO2排出車のブレイクスルー技術の開発促進という2本道筋を立て、以下の燃料や車両について検討がなされている。
・代替燃料、液体バイオ燃料、LPG、CNG、及びバイオガス
・電気自動車:バッテリー式EVは、新車販売の市場占有率の見通しは、2020年に1〜2%、2030年に11〜30%である。プラグインハイブリッド車の占有率は、2020年に2%、2030年までに5〜20%となる。
・水素燃料電池車:バッテリーと水素燃料電池の開発は、同じような電気駆動部品を共有することから、相互補完の関係にある。

 ライフサイクルにおいて環境影響が極めて低い車両をグリーンビークルといい、これらの車両は、低炭素エネルギーを使用し、低排出ガス、低騒音気圧リサイクルも容易でなければならない。グリーンビークルの普及戦略は、運輸部門の近代化及び脱炭素化の新技術を促進するための欧州2020年イニシアチブの最重要部分となる。2030年までに世界の車両は8億台から16億台へ2倍に増えると見込まれているが、この戦略により長期の持続可能なモビリティへの変革が求められている。

出典:http://eur-lex.europa.eu/LexUriServ/LexUriServ.do?uri=COM:2010:0186:FIN:EN:PDF

ページトップへ


一般財団法人 環境優良車普及機構 〒160-0004 東京都新宿区四谷2丁目14-8 TEL:03-3359-8461(代表) FAX:03-3353-5439
Copyrightc 2012 Organization for the promotion of low emission vehicles. All Rights Reserved.