Homeライブラリなるほど!ザ・ワード第1回 粒子状物質(PM)

なるほど!ザ・ワード〜低公害車用語解説〜

自動車環境問題に関することばを取り上げて解説します。

第1回 粒子状物質(PM)

自動車からの排出ガスには、大まかに分けるとガス(気体)で排出されるものと粒子(固体や液体)で排出されるものがあります。前者はいわゆる排出ガス、後者は通常、粒子状物質と呼ばれています。うち、排出ガスのなかで、現在規制の対象となっている有害物質には、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)があります。
ここでは、ディーゼルから排出される粒子状物質について掘り下げ、その成分内訳や発生原因、人体への影響等をまとめました。

◆ディーゼルの粒子状物質(PM)

ディーゼルでは黒煙が排出されることが知られていますが、こうした黒煙など排出ガス中に含まれる固体や液体成分(あらゆる微粒子)を総称して「粒子状物質」( Particulate Matter 「PM」 )といいます。
ディーゼルから排出されるPMには様々な種類の物質が含まれています。例えば、黒煙は炭素の固まりで、高負荷時に多く発生します。低・中負荷時に排出されやすい青煙は燃料の炭化水素が一部酸化したもの、低温始動時に発生しやすい白煙は、燃料や潤滑油が未燃焼のまま排出されたものです。
PMのなかでも代表的な固体スス(黒煙)は、燃焼の改善によって低減してきていますが、これにともなって最近注目されているのが青煙や白煙といった可溶性有機成分(Soluble Organic Fraction =SOF) です。PMの内訳(例)については円グラフを参照ください。PMは炭素のまわりに、SOFや硫酸塩といった物質が付着した状態で排出されています。粒子状物質の種類を示した表には各成分についての詳細がまとめてあります。

■粒子状物質の内訳
粒子状物質の内訳


■粒子状物質の種類
粒子状物質の種類


◆浮遊粒子状物質(SPM)

これまでお話した粒子状物質(PM)のほかに大気中には様々な粒子が存在します。これらを浮遊粒子状物質( Suspended Particulate Matter 「SPM」 ) として、国が環境基準を定めています。
SPM の発生源は様々ですが、人為的なものでは、工場からのばい塵やディーゼル車から排出される粒子などが、自然的なものでは、風による土砂の舞い上がりなどが挙げられます。
粒径の小さいものは大気中に比較的長時間滞留しますが、なかでも、粒径が10μm (0.01mm)以下のものは、気管支または肺の深部に沈着して呼吸器に影響を及ぼすといわれています。


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