■海外情報

★AMFニュースレター(2019年第3号(2019年12月発行))【主要記事】

◆◆目次◆◆

○実証事業/プロジェク/市場動向に関する情報
 シアトルの再生可能ガソリン
 アメリカの電気バスの大量発注
 E85ブレンド用の再生可能なナフタレン
 定置用エンジンのNOxの削減

○政策/規則/指令/基準に関する情報
 カリフォルニア州の行政機関はICEセダン(内燃機関のみを搭載したセダン自動車)を買わない
 カリフォルニアのクリーン輸送計画
 ドイツの民間団体による再生可能燃料に関する覚書

○アジアの注目ニュース
 インドのバイオ燃料奨励プログラム
 移動手段の電動化によるCO2排出削減の評価レポート

○電気自動車関連の注目ニュース
 フォードによる12,000充電ステーションネットワークの開発

○船舶関連の注目ニュース
 クリーン船舶輸送パートナーシップ
 燃料電池船の建造

○航空関連の注目ニュース
 エタノールから再生可能なジェット燃料への変換

○IEA及びIEA-AMFのニュース
 第58回IEA AMF 執行委員会(AMF ExCo 58)
 燃焼TCPとの合同ワークショップ
 運輸部門における脱炭素ワークショップ

○出版物
 世界エネルギー見通し2019
 先進的バイオ燃料:何がそれらを妨げていますか?
 米国のバイオ燃料産業の持続可能性
 バイオ燃料の可能性に関するConcawe※の文献レビュー
 2017年のEUの輸送燃料
 ヨーロッパの大気質-2019レポート
 POTEnCIA※による中央シナリオ
 海運における脱炭酸の解決策
 マースクとロイズレジスターによる船舶輸送調査
 希薄燃焼火花点火用エタノール

※Concawe:欧州石油環境保全連盟(CONservation of Clean Air and Water in EuropeConcawe)は、1963年に設立された石油精製技術に関する調査研究機関。会員企業である欧州の石油精製会社40社と協力して、精製技術、燃料油品質、大気環境などの分野に関して技術検討を実施。

※POTEnCIA:エネルギー及び気候変動の影響評価のための政策指向ツール(Policy Oriented Tool for Energy and Climate Change Impact Assessment)は、JRCによって開発されたEUエネルギーシステムに対するさまざまな政策先物の影響の堅牢な評価を可能にするモデリングツール。エネルギー市場内の周辺条件に関するさまざまな仮説の下で、エネルギー部門に対する代替エネルギー及び気候政策の影響を評価するように設計されている。

○イベント

出典:https://www.iea-amf.org/(英語ページ)

◆◆実証事業/プロジェクト/市場動向に関する情報◆◆

アメリカの電気バスの大量発注
 ロサンゼルス運輸省は、BYDのバッテリー式電気バスを130台発注しました。2021年半ばまでに納車される予定です。プロジェクトの費用は8,800万ドル(96億円)で、そのうち6,700万ドル(73億円)は連邦及び州の誘導策によるものです。このプロジェクトは、米国でこれまでで最大のバッテリー電気バスの発注です。このプロジェクトは、2030年までにバス全体をゼロエミッション技術に転換するという都市の持続可能性目標の一部です。

BYD電気バス
出典:https://en.byd.com/(英語ページ)

◆◆政策/規則/指令/基準に関する情報◆◆

カリフォルニアのクリーン輸送計画
 カリフォルニア州は、輸送部門からの大気汚染とGHG排出量を削減するための包括的な戦略に、主にキャップアンド・トレード※収益で賄われた5億3,300万ドル(586億3千万円)を充てる予定です。
 この資金には、電気自動車、プラグインハイブリッド自動車、燃料電池自動車などのゼロエミッション車の購入に対する補助金を提供するクリーン車両補助金プロジェクトの2億3800万ドル(261億8千万円)が含まれています。また、事前登録と実証プロジェクトを通じて、クリーンなトラック、バス、荷役機器に1億8,200万ドル(261億8千万円)を充当しました。

※キャップ・アンド・トレード:CO2排出量取引の手法の一つで、排出量に上限(キャップ)を設定し、余剰排出量や不足排出量を売買する仕組みのこと。排出量に上限を付けることから温室効果ガスの排出総量を削減する効果があり、過不足を取引できることから排出するCO2に価格がつき、排出業者のインセンティブも働くことで、より削減行動に結びつけることが狙い。
出典:https://www.cpuc.ca.gov/(英語ページ)


クリーン輸送のインセンティブに対する2019-20年度資金計画の提案

◆◆アジアの注目ニュース◆◆

移動手段の電動化によるCO2排出削減の評価レポート
 アジアでは輸送部門におけるエネルギー消費と温室効果ガス(GHG)排出量の削減に向けて電動車の導入が拡大しています。評価レポートでは、インド、インドネシア、タイを対象にエネルギー消費の削減とGHG排出量を定量的にシミュレートし、GHG排出への影響に関するシナリオを検討しています。
 インドやインドネシアなど、石炭などの化石燃料による発電からのGHG排出量が多い国では、電動車の導入だけでは排出量レベルを低下させることができません。このため効果的に輸送部門のエネルギー消費とGHG排出量を削減するには、代替燃料の推進と電動車の導入を組み合わせていくことが必要であるとの評価がなされています。
出典:http://www.eria.org/(英語ページ)

移動手段の電動化によるCO2排出削減の評価レポート

◆◆IEA及びIEA-AMFのニュース◆◆

第58回IEA AMF 執行委員会(AMF ExCo 58)

AMF ExCoミーティング参加メンバー

 AMF ExCo 58は、2019年11月5日〜8日の4日間にスイスのモントルーで開催されました。この会議は、燃焼TCPのタスクリーダー会議と背中合わせに開催され、両方のTCP間の意見交換の場として合同ワークショップが催されました。

@ 「高度な船舶燃料」に関する新しい付属書
 低炭素で硫黄を含まない船舶用エンジン燃料の今後の方向性を調査するために、新しい共同研究(Annex)が始まりました。キーポイントは次のとおりです。
 ・どのようなエンジンコンセプトが有効か、どのようなエンジンを開発する必要があるか?
 ・低発熱性燃料で十分な(ディーゼルのような)熱反応を得るにはどうすればよいか?
 ・化学点火促進剤は、火花点火よりも好ましいか?
 ・LNGは、硫黄を含まない他の船舶燃料とどのような関係で普及していくか?
 この研究はデンマークが主導し、カナダ、フィンランド、韓国、スウェーデン、スイス、米国が参加しています。メタノール研究所(https://www.methanol.org/)も参画しています。詳細については、AMF Webサイトに掲載する予定です。

A 将来のAMF活動の検討
 会議中に将来のAMF活動に関する案が議論されました。スノーモービルとRV車の排出ガス等の適切なテスト法に関する提案、リモートセンシングの概要、及びアルコール派生燃料の導入可能性に関して次回ExCo会議で議論される予定です。

B 共同研究(Annex)の成果
 次の3つのAMF Annexが完了しました。
 ・Annex55:実際の運転排出ガスと燃料消費
 ・Annex54:GDIエンジンとアルコール燃料
 ・Annex51:メタン排出制御
 最終的なAnnexレポートと2020年初頭に公開される主要なメッセージに注目してください!

C 次回会議
 次回のAMF執行委員会は、2020年5月18日週に中国の北京と西安で開催されます。執行委員会に合わせて開催されるプログラムとして、最近のAMFの活動を紹介するワークショップを北京で実施します。また、5月19日には、代替自動車燃料の市場導入の経験から学んだ教訓に関する専門家によるワークショップが開催されます。どちらのワークショップも一般の方々へ公開されます。参加に興味がある場合は、事務局に連絡してください。
出典:https://www.iea-amf.org/(英語ページ)

運輸部門における脱炭素ワークショップ
 IEAバイオエネルギーとAMF TCPの共同プロジェクト「2030年以降の運輸部門の脱炭素化への先進再生可能輸送燃料の貢献」について、ベルギーのブリュッセルで開催されたワークショップでその結果が発表されました。
 このプロジェクトでは、5か国の登録自動車の2050年までの代替推移と、これらの車両が電気自動車によるバイオ燃料、電気燃料、電気の使用を通じたGHG排出量削減の可能性を調査しました。分析した5か国は、フィンランド、スウェーデン、ドイツ、アメリカ、ブラジルです。これらの5国に加えて中国と日本の主要戦略が説明されています。
 分析によると、現在調査対象となっているほとんどの国では、輸送部門のGHG排出削減目標を達成するのが困難な状況です。国内輸送部門のGHG排出量の変化は、上昇から比較的安定、減少へと大きく変化しています。しかし、減少傾向にあるものの、高い削減目標には届かない状況です。そのため、輸送効率の良い社会と効率的な車両を目指して、あらゆる形態の再生可能エネルギーを使用するなど、利用可能なすべてのオプションを利用することが不可欠です。
 ワークショップの資料はオンラインで入手できます。最終報告書は2020年半ばに公開されます。


輸送部門の脱炭素ワークショップ実施状況
出典:https://iea-amf.org/(英語ページ)

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