■海外情報

★AMFニュースレター(2019年第2号(2019年10月発行))【主要記事】

◆◆目次◆◆

○実証事業/プロジェクト/市場動向に関する情報
 日本の大型LNGトラック
 再生可能天然ガス(バイオメタンガス)市場分析
 バイオメタンの他に及ぼす影響
 P2Gによるバイオメタン(P2G(Power to Gas):風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギーの出力時に生じた余剰電力を、水素やメタンなどの気体燃料に変換して貯蔵する技術)
 アジアのクリーンエネルギー技術ワークショップ
 リアルアーバンエミッション(TRUE)イニシアチブ

○政策/規則/指令/基準に関する情報
 E15が米国で一年中利用可能に(E15:エタノール15%混合ガソリン)
 B20地下貯蔵(B20:バイオ20%混合のバイオディーゼル混合燃料)
 インドネシアのB30(バイオ30%混合のバイオディーゼル混合燃料)
 水素および燃料電池の戦略的ロードマップ

○米国の電気自動車関連の注目ニュース
 長距離貨物トラック用充電設備整備計画
 燃料電池トラックの開発情報を公表
 燃料電池商用トラックパートナーシップ
 アマゾンが10万台の配送用電気トラックを発注
 カリフォルニア州の電気自動車普及のための資金提供
 コロラド州のゼロエミッション車(ZEV)規制
 大型電気自動車用充電設備整備のための資金計画

○船舶及び航空関連の注目ニュース
 EUの海洋バイオ燃料
 欧州航空環境報告書2019

○IEA及びIEA-AMFのニュース
 輸送部門の脱炭素化に関するワークショップ

○出版物
 低炭素エネルギーシステムの構築
 ヨーロッパの再生可能エネルギー
 EUエネルギー関連統計ポケットブック2019
 ゼロエミッションモビリティへの移行
 メタン排出量の推計値
 欧州連合によるガス関連用語の定義
 ブレンド方法によるエタノール放出への影響
 クリーンエネルギーと燃料に関するワークショップ
 ドイツが取組んでいる高度なバイオ燃料
 UFOPバイオディーゼル評価レポート2018/19(UFOP(Universidade Federal de Ouro Preto):オウロ・プレト連邦大学(ブラジルのミナスジェライス州に本部がある連邦公立高等教育機関)
 エンジン効率向上のためのバイオ燃料最適混合比
 バイオマス原料の熱分解の経済性と温室効果ガス排出量
 バイオマスサプライチェーンの持続可能性管理
 バイオマスとバイオエネルギーに関する包括的なレビュー
 燃料電池の将来のコスト

○イベント

https://www.iea-amf.org/(英語ページ)

◆◆実証事業/プロジェクト/市場動向に関する情報◆◆

日本の大型LNGトラック
 「大型LNGトラックおよび最適燃料充填インフラの開発・実証事業」は、環境省の補助金により2019年3月末まで約3年間実施されました。このプロジェクトで開発された2台の大型LNGトラックは、貨物運送事業者2社が運用して実用性、経済性、CO2排出量、および運転性能等のデータを収集しました。また、L + CNGステーションは、LNGをLNGトラックに実際に燃料補給することにより、その実用性を検証しました。
 大型LNGトラックは、いすゞ自動車が開発した大型CNGトラックの技術が活用されました。日本で最初のL + CNGステーションは、大阪の南港エリアに建設され、LNG貯蔵タンクを備えており、LNGとCNGの両方を車両に燃料補給できます。また、東京の京浜地区にもL + CNGステーションが同時に建設されました。
 実証走行試験の開発目標は、LNG燃料の1,000 km以上の航続距離と、東京と大阪間の長距離走行のディーゼルトラックと比較して約10%のCO2削減を達成することです。このテストでは、L + CNGステーションの運用に関する対応すべき課題を特定することができました。いすゞ自動車と(一財)環境優良車普及機構(LEVO)は、2019年4月から継続してLNGトラックの評価やインフラ運用を検証するために実証走行試験を実施し、運行データを収集しています。
開発した大型LNGトラック
大型LNGトラックのLNG充填ノズル
大阪南港地区に建設されたL+CNGスタンド
出典:https://www.levo.or.jp/

◆◆政策/規則/指令/基準に関する情報◆◆

E15が米国で一年中利用可能に(E15:エタノール15%混合ガソリン)
 米国環境保護庁(EPA)は、E10(エタノール10%混合ガソリン)とE15が「実質的に類似」していると認定し、E15の年間販売を許可する規則を施行しました。これまで、E15の販売は、自動車のガソリンの揮発性とその結果生じる揮発性有機化合物の排出を制限するために、6月1日から9月15日までの夏の運転シーズン中の販売は禁止されていました。EPAは現在、E15が夏のガソリンのE10と同じリード蒸気圧※1制限(10 psi※2)を満たすことで許可しています。
※1 リード蒸気圧:ガソリンの特性を指す言葉で、安全性と燃料の蒸発のしやすさの目安になる燃料の蒸気圧のこと。気体状態の燃料と液体状態の燃料との比率が4:1の時の蒸気圧を、気温37.8度(華氏100度)で測った時の数値。
※2 psi:アメリカ製器材で使用されている圧力の単位。Pounds Square Inchの略で平方インチ当たりポンドを表わす。1気圧はおよそ14.7 psi。

米国環境保護局HP掲載
出典:https://www.epa.gov/(英語ページ)

インドネシアのB30(バイオ30%混合のバイオディーゼル混合燃料)
 インドネシア大統領は、原油パーム油(CPO)をブレンドした軽油の割合を、来年1月から現在の20%(B20)から30%(B30)に、2020年末までに50%(B50)に増やしたいという意向を示しました。この計画により、インドネシアの貿易収支を押し下げる石油の輸入が減少する一方、CPO価格に影響を与える外部要因がある中で、新たなCPOの国内需要が発生すると予想されます。既にB30の路上試験が実施されており、10月に終了する予定です。

ジャカルタ/2019年8月12日(月)
ジャカルタのヤシ油ベースのバイオ燃料のロードテスト開始:イグナシウスジョナンエネルギー資源大臣(右から2番目)とアルカンドラタハール副大臣(右)が30%のバイオディーゼル(B30)燃料を充填。
出典:https://www.thejakartapost.com/(英語ページ)

◆◆米国の電気自動車関連の注目ニュース◆◆

燃料電池トラックの開発情報を公表
 トヨタ自動車とケンワース・トラック社(Kenworth Truck)は、カリフォルニア航空資源委員会からの4,100万ドル(44億6千9百万円:1ドル109円)のゼロ・準ゼロ排出貨物施設助成金の一部で燃料電池電気大型トラックを開発しました。このプロジェクトで開発された10台の燃料電池トラックは、ロサンゼルス港から貨物を輸送する複数の企業が運行しています。シェルは、助成金の一部で、これらの大型トラック用に2基の大容量水素燃料ステーションの開発を予定しています。

ケンワース・トヨタ共同開発燃料電池トラックT680
写真提供:ケンワース・トラック社(Kenworth Truck)
出典:https://www.truckinginfo.com/(英語ページ)

アマゾンが10万台の配送用電気トラックを発注
 アマゾン(Amazon)は、ミシガン州に本拠を置く電気自動車の新興企業リビアン社(Rivian Automotive Inc.)に10万台の配送用電気トラックを発注しました。最初の1万台は2022年までに納車され、2030年までに10万台すべてが納車される予定です。リビアン社は、2020年から航続距離400マイル(643km)のピックアップトラックとスポーツユーティリティ車 の2車種の生産開始を発表しています。

アマゾンが導入するリビアン社製配送用電気トラック

アマゾンが導入するリビアン社製配送用電気トラック
出典:https://arstechnica.com/(英語ページ)

カリフォルニア州の電気自動車普及のための資金提供
 カリフォルニア州エネルギー委員会は、200台を超えるディーゼルスクールバスをすべて電気バスに置き換えるための資金として7,000万ドル(76億3千万円:1ドル109円)を承認し、これまでに合計で9,000万ドル(98億1千万円)以上を支給しました。委員会は、バス1台当たりの燃料費とメンテナンス費用を合わせて20年間で約120,000ドル(1千300万円)節約すると見積もっています。加えて委員会は、州における電気自動車の導入を増やすため追加の9,500万ドル(103億5千5百万円)の導入計画を承認しました。この計画には、普通充電に3,300万ドル(35億9千7百万円)、大型EVと急速充電に3000万ドル(32億7千万円)、水素の燃料補給に2,000万ドル(21億8千万円)が含まれています。

カリフォルニア州エネルギー委員会HP掲載
出典:https://www.energy.ca.gov/news/2019-07/(英語ページ)
https://www.energy.ca.gov/news/2019-09/(英語ページ)

戻る

一般財団法人 環境優良車普及機構 〒160-0004 東京都新宿区四谷2丁目14-8 TEL:03-3359-8461(代表) FAX:03-3353-5439
Copyrightc 2010・2011 Organization for the promotion of low emission vehicles. All Rights Reserved.